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数多くの“感謝”が集まりました。

「有村屋 感謝の言葉コンクール」結果発表

ふるさと・鹿児島の美味を真心込めて作り上げる、さつまあげの老舗『有村屋』。
そんな郷土愛にあふれた有村屋主催の「有村屋 感謝の言葉コンクール」の応募が7月31日に締め切られました。
短歌や俳句、川柳など、たくさんのご応募、ありがとうございました。
審査員の眞木準氏より、各作品への選評が寄せられたので、賞とともに発表いたします。
大賞

ありがとう五文字の中に無限大

(静岡県・鈴木玲子)

わずか5文字が、たった一言が、人にとっては宇宙の広がりを持つ。考えてみれば五七五の短句であるのに、読む人の心を広大にふくらませ、爽快な気持ちを作り上げる。「ありがとう」という感謝の言葉の代表選手を起用した作は多数寄せられたが、そのなかでの傑作。今回の審査には「感謝というテーマ性」「さつまあげは有村屋の贈答という目的性」「詩作として何らかの感動を生む技術と完成度」という3つの基準を設けたが、いずれもクリアしている。特にあたかも箱の中に言葉が詰まった感じが、「さつまあげ」の贈答イメージと結びつく。

眞木準 特別賞  

感謝には賞味期限がありません

(三重県・松田清司)

ズバリ、感謝の本質を突き、正鵠(せいこく)を射ている。人間の、とりわけ日本人の気持ちの真実を鮮やかな切り口で表現し、心を打ち、ひざを打つ。特に「賞味期限」という表現には具体的にあえて書かなくても「さつまあげ」を想起できるし、時代性・社会性も帯びている。ただし、微妙な表現なので、パッケージに印刷される句としてはリスク大きい点が惜しい。

特選  

「ありがとう」深くてやさしい愛言葉

(佐賀県・古賀由美子)

「愛言葉」が秀逸だ。愛は、親子、恋愛、友愛、子弟、人類と、あらゆる人間関係を結ぶキーワードであり、この場合は、さつまあげの贈答を包むキモチの合言葉となっている。

 

女にも悪友の居て有村のいも天に酌む秋の夜長を

(東京都・石田康子)

「女にも」という概念としてレアな切り口が、逆に共感を呼ぶ。男の悪友を表現すれば、陳腐になっていただろう。友情への感謝の気持ちが、感謝ワードを使わなくとも、あたたかさとしてにじみ出ている。「有村」のさりげない起用と「いも天」の選語の面白さも成功している。惜しいのは、発表時期が暮れのため、「秋の夜長」は「冬の夜長」としても、温情増す意味で良かったのかも。

 

おでん酒こころの端を人よぎる

(長崎県・栗山よし子)

「こころの端を人よぎる」の叙情がしみじみとして良い。さつまあげを贈ってくれた先方への感謝が、フワッと映像として思い浮かぶ。その人は故郷の母か、それとも友人か。あるいは思い出の中の人であろうか。さつまあげを心でかみしめる、小さな幸福を味わえる句。

佳作  

遠くても心の距離は0メートル (岐阜県・近藤智子)

贈答の表現としては秀逸である。さつまあげでなく酒でも石鹸でもよいところが惜しい。

 

ありがとう添えた言葉の字が笑う (愛知県・三ッ野 薫)

「字が笑う」が明るい。くせ字だろうか、あるいは贈り主の顔が思い浮かぶのか。

 

好きにして煮るなり焼くなり揚げるなり (徳島県・三原みゆき)

さつまあげを愛の告白にすり込んだ工夫は面白味バツグンだが、「感謝」テーマ性すこし薄い。

 

魚はね青い地球の贈り物 (大分県・児玉純子)

環境問題を、子供が画用紙にクレヨンで描いたような純真な表現にした点が良い。

 

ありがとう放物線のその先の父のミットにまっすぐとどけ (埼玉県・柴崎喜弘)

叙景と叙情が一体になった具体詩。贈りものテーマがもうすこし加わると良い。

 

練り上げた感謝の気持ち送ります。 (東京都・小峰貴宏)

同種の表現多数の中で、一番素直な作。「送ります」は「贈ります」か。

 

さつまあげ和気致祥の風運ぶ (鹿児島県・瀬下真由美)

和気致祥を墨書したのは、西郷さんか篤姫か。歴史の気風を感じる句。

 

ふるさとの心錬りこみ贈る愛 (栃木県・冨久田照子)

「心練りこみ」にさつまあげの品質を感じる。

 

さんざんにつらい仕事を任せたね有難うさん元気でいてね (東京都・武藤喜明)

頭文字が「さ・つ・ま・あ・げ」となったアナライズ工夫歌。転勤の部下・同僚を送る歌か。

 

「ありがとう」わが日の本に美しき言の葉ありて食うさつまあげ (福岡県・内藤賢司)

「もったいない」に続き「ありがとう」も世界語かもしれない。結句は「さつまあげ食う」と逆にしたほうが余韻あり。

 

ふと過ぎる感謝の心手に包み放ちてみたき冬の日溜り (京都府・堤 純子)

心が眼に見えて、動いている感じを見事にとらえている。「さつまあげ」と少し遠いか。

 

クール便あつい感謝を密封し (神奈川県・村田佳代子)

「クール」と「あつい」の対比語が印象を強めている。

 

帰省子の苞(つと)のひとつにさつまあげ (兵庫県・徳田紫紋)

土産にもたせるのか、もらうのか。親子の愛情が感じられる。

 

言わずとも通じることもあるけれど生「ありがとう」聞きたい時も (大阪府・堀内昌廣)

さつまあげ品質に通じる「生『ありがとう』」が新鮮。

 

「ありがとう」たった一言水澄めり (東京都・渡部洋一)

「水澄めり」は心の比喩であろうか。清涼な句。

 

添えられし言葉もうれし贈物 (神奈川県・加藤三朗)

その言葉は「ありがとう」または微笑ましい近況か。

 

子が戻り夫が帰りておでん鍋 (群馬県・日野真沙子)

家族団欒が、この国でめずらしいものになりつつある昨今、心あたたまる。

 

ありがとうは心の言葉あふれくる万の言葉を包みて贈る (岡山県・柏 悦子)

その通り。思いあふれる場合は、たった一言しか出てこぬことが多い。

 

ウインクかハグか投げキスしたいけどできないボソッと言うよ「ありがと…」 (東京都・高山 茂)

若い短歌で、ロックの歌詞にしたいほど。ただし結語の字不足は「ありがとうさん」くらいに着地してもいい。

 

ありがとうのウェーブ寄せる箱の中 (大阪府・久保田清美)

さつまあげのぎっしり詰まった贈答を言いあてているが、「ありがとうの」を「アリガトの」と五文字にすべきか。

有村屋社長 特別賞  

美味すぎて言葉にならん照れかくし
父の言い訳母の幸福

(兵庫県・谷許千晶)

大賞 有村屋ギフト用さつまあげのパッケージに掲載+有村屋さつまあげ詰合せ+副賞5万円
眞木準特別賞 あじ三昧『鯛 飛魚 鰯』+副賞3万円
有村屋社長特別賞 あじ三昧『鯛 飛魚 鰯』+副賞3万円
特選 有村屋さつまあげ詰合せ+副賞3万円
佳作 有村屋さつまあげ詰合せ

審査員

眞木 準 (大賞、眞木準特別賞、特選、佳作)

コピーライター。主な仕事に「でっかいどお。北海道」(全日空)、「あんたも発展途上人。」(サントリー)等。朝日広告賞等、多数受賞。著書「一語一絵」「胸からジャック。」他

有村 興一 (有村屋社長特別賞)

株式会社有村屋 代表取締役

 

今回は、最終選考でも甲乙つけ難い作品が2句残ったたため、急遽“眞木準特別賞”を設けました。
大賞作品は、有村屋ギフト用さつまあげのパッケージに掲載されます(年内予定)。掲載時期につきましては、近日中に発表いたします。