Home > Feature - 特集 > 麻生祐未、茶の湯に浸る

Feature

 

茶の湯に浸る

麻生祐未

気品と艶を兼ね備えた稀有な美貌はそのままに、一児の母となったことでより一層、女性としての魅力を増した麻生祐未さん。不思議なのは、決して純和風といった容姿ではないにも関わらずクラシカルな着物がよく似合い、そのたたずまいはまぎれもなく“和”であること。それは外見でなく、彼女が醸し出す静けさ、そしてたおやかな所作によるものではないでしょうか。渡米経験もあり、精神性や文化の違いを痛感したという麻生さん。茶道に接することで、彼女のなかにある和の価値観と美意識がよく見えてきます。

写真/交泰
取材・文/かしわぎなおこ(モアナ・サンライズ)
ヘア&メイク/渡邊昭一・蒲生亜希子(W)
スタイリング・着付け/高橋恵子(きものパルワ)
衣装/きものパルワ
撮影場所/茶道会館

 

 

「お茶のお稽古はしたことがないのです。そういえば、中学・高校の道徳に茶道の時間がありました。当時は、おいしいお菓子とお茶をいただけるからというだけで喜んで、楽しみな授業でしたね(笑)。器を回して眺めてとか、お茶を立てたりとか、何度か嗜んだ気はしますけれど、難しくてよく覚えていないのです…。その後、ドラマや映画の撮影でお茶を飲むシーンなど、少しだけ所作をつけてもらったことはありますが、本格的な茶道を習うのは今日が初めてなので、とても楽しみです」。もともと日舞を習っていたこともあり、和の所作には馴染みがある麻生祐未さん。そろそろ茶道をきちんと習いたいと思っていたと語る。「お茶を飲んだり、出すシーンだけではなくて、障子や襖の開け閉めやお辞儀の仕方を身につけておかないと、大人の女性として恥ずかしいかな、と思っていまして」。

この日の麻生さんの着物は付け下げ。お茶席に合わせた薄めの色あいで、さわやかな春を思わせるグリーンがかった淡い水色。帯の紫に袱紗を合わせてある。麻生さんお気に入りのポイントは、「私はもともとブルー系やグレー系が好きなので、色をとても気に入っています。それにしても、袱紗の色にたくさんの種類があることにびっくりしました。着物っておしゃれですよね。襟のなかの半襟の色合わせとか、見えないところでちらりとおしゃれするところがとても好き。一番のドレスアップですし、やはり日本人には絶対に似合う。洋服を着ているときよりも、動きもしとやかになるような気がしますし(笑)。好きなのですが、なかなかプライベートで着る機会がなかったので、これからは自分のおしゃれのひとつにしたいです」。それはかしこまった場だけでなく、普段着として。そのために正式に着付けを習い、知識を学びたいと語る。

「一日中着ていても着崩れないためには、我流ではなく基礎から学ぶべきかなと思っています。私はどちらかというと、現代風にアレンジされているものよりも伝統的な着物が好きなので、最近、季節と生地の関係などをきちんと知ったうえで着たい、と思うようになりました。若い頃はあまり季節感なんて考えず、渋い色が好きで、洋服もいつでも暗い色ばかりだったのですが(笑)、今では今日のような淡い色も好きになってきましたし、着物本来の季節感のあるきれいな生地、色を着たいという感覚に変わってきましたね」。

「着物にしてもお茶にしても芸術的な文化ですが、日本人の生活に必要とも思うのです。最初は堅苦しく感じるのかもしれませんが、必ず身体が馴染むものだから決して難しくはないはず。ただのスタイルとしてではなく、生活になくてはならないものとして残っているような気がします」。

 

 

茶道会館

東京都新宿区高田馬場3-39-17
03-3361-2446
http://www.sadoukaikan.com/

『茶道会館』とは?

昭和25年に完成した『茶道会館』は、美術建築家を志した北見家初代・宗国の手による。当時の目的は、戦後の荒廃のなかで心の落ち着きを見出すため、茶道を広く普及しようというもの。数寄屋造りで大広間、小間、立礼席など、それぞれ違った茶席が一棟のなかに総合的に作られた平屋建て。緑も多く、都会の喧騒から離れて静かな時間を過ごせる。北見家は裏千家の直門だがここは裏千家ではなく、広く茶事に利用可能。茶道教室は月3回。月〜木曜の昼の部(10時〜)、夜の部(18時〜)のなかで振り替え自由、洋服でも受講でき、先生と生徒1対1で教われる。

 

麻生祐未●あそう ゆみ

女優。長崎県出身。血液型O型。1985年、化粧品のキャンペーンガールとしてデビュー。『白夜行』『パパとムスメの7日間』『税務調査官・窓際太郎の事件簿』シリーズといったドラマ、映画『恋空』など、幅広く活躍中。現在、東京ガスのCMに和服姿で出演中。